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貴方も海外のコンテストに応募しませんか?

多くの日本のキルターが海外のコンテストで入選、入賞しています。
ぜひ、貴方も海外のコンテストにチャレンジしてみませんか?

海外キルト・コンテスト応募のノウハウを紹介し、貴方の疑問にお答えします。

1. 海外のコンテストはどのように行われるの?

アメリカのAQSのパドゥーカ等の大きなコンテストでは2段階で行われます。
まず、Juryと呼ばれる複数の審査員が応募されたディジタル写真をもとに、入選者を決定します。
次に、入選者から送られてきたキルトをJudgeと呼ばれるJuryとは別の複数の審査員によって賞を決定します。

JuryやJudgeは審査を行うための資格を持った人や現在もコンテストで上位入賞するような人から毎年異なった人が選ばれてます。
日本のように代わり映えのしない限られた人達が順番に行ったり、スポンサー企業のキルトをほとんど知らない代表が行うといったことはありません。
さらに、多くのコンテストは作者がわからないようにキルトにつけられたラベルにカバーをつけるように指示しています。
審査が偏よらないように、かつ公正に行わせる仕組みはキルトが絵画と同じように売買される国ならではと言えます。
とは言え、審査員の好みを完全に排除することはできません。毎年、審査員を代えることで対応しています。
そのため、落選した作品が次の年には入選したり、さらには入賞することもあります。
見た目の美しさはもちろん、キルティングやピーシングの技術力といったプロの目からみた評価がされます。
ちなみに、日本のメジャーなコンテストで落選した作品が大賞になったり、逆に日本で大きな賞になった作品や有名なキルターの作品が賞には届かないこともあります。
貴方もプロの評価を受けてみてはいかがでしょうか?

なお、イギリスThe festival of QuiltのコンテストのようにJudgeのみのものもあります。
これはすべての応募作品は(スペースが許す限り)展示され、賞はJudgeによって決定されるものです。

アメリカのコンテストでは入賞者には賞金の他、展示に使われたリボン(1等は青、2等は赤、3等は白か黄)が贈られます。
リボンを集めることも楽しみの一つになっています。
また、コンテストで入賞しても、主催者が別のコンテストであれば出すことができますので、一つの
作品で多くのリボンを集めたと言う話も良く聞きます。
多くの場合、コンテストに入選した作品を同じ主催者の別のコンテストに出すことも可能な場合があり、
再チャレンジして入賞するというケースも多々あります。
なお、AQSではAQSのコンテストで入賞した作品も一年間は他のAQSのコンテストに応募することができます。


2.賞味期限

応募する作品には賞味期限(完成した時期)の規定があります。
規定に違反して応募した場合、入選や入賞が取り消されるだけでなく一定期間応募することもできなくなります。
図録には掲載されていた作品が、図録作成後に規定違反であることがわかり、展示が取り下げられていたのを見たことがあります。
AQSはパドゥーカを含めて応募期限の3年前以降に完成した作品、ロード・ツー・カルフォルニアは応募期限の2年前以降に完成した作品と言う規定になっています。
オリジナル作品を後で修正してもオリジナル作品の完成時期が適応され、完成時期を変更できないという規定もあります。整形手術をしても誕生日は変えられないってところでしょうか?

3.費用はどのぐらいかかるの?

必要な費用は、ほぼ30,000円ほどです。 応募費用、会費(会員になるための費用)、入選時の作品の送料(往復)、保険料です。
これらの費用はクレジットカードで支払いますが、VISA、Master以外では受付けない場合もあります。

AQSパドゥーカの場合、合計31,600円(2022年の場合)
 応募費用 = 40ドル(非会員で応募の場合)
 入選時の作品の送料 = 10,300円 (EMSで3kg、特別追加料金込の例)
 作品の返送料 = 120ドル (梱包料込みでEMS同等のUSPSを選択した場合です。大きさによって異なります。なお、FedExは200ドル以上と高額です。)
 返送時保険料 = 4ドル (1,000ドル保障の場合、1,000ドルを超える場合はキルトの価値の証明書が必要)


4. 応募の手順と注意する点

①通常はオンラインで応募します。
 応募方法はコンテスト情報の概要を参照願います。
 ディジタル写真はキルト全体のものと、30cm四方程度の部分を撮った部分写真が必要になります。
 入選は写真だけで決まりますので、美しい写真を撮る事が重要になります。
 写真の解像度について規定がある場合があります。4Mピクセル以上のカメラ等で撮ることをお勧めします。
 また、AQSは作者自身のディジタル画像も必要です。
 AQSのコンテストについて、次表にまとめてあります。

②審査をパスするとメール連絡での発表があり、作品を作品締切りにあわせて送ります。
 メールはHTML形式が使われており、HTML形式が表示できない携帯会社のメールではリンクが削除されているなど必要な処理ができない場合があります。
事前にHTML形式を表示できるように設定するか、Gメールなどを利用してください。
 入選は写真のみで決まり、日本でよくある現物審査(2次審査)はありません。
 余裕のあるスリーブ(ここを参照)とキルトの裏にタイトルと作者、連絡先を記入したラベルをつける必要があります)

③実際の作品で審査され、賞が決まります。

コンテスト名 項目 内容/コメント等
AQS Quilt Week

 Paducah等
エントリーに
必要な情報
メンバー/非メンバーの種別
名前、住所、電話番号、e-メール
地域の新聞社の名前とアドレス、eメール
カテゴリー、作品タイトル、サイズ
キルトの説明、コメント(ショーのカタログ載ります)
使っているキルト技法、キルトの手段(ハンド、ミシン種別)
デザインパターンの出典
応募費(メンバー25ドル、非メンバー40ドル)支払いのためのカード番号

VISA、Master、Discoverのカードが使えます。
作品の画像 ディジタルイメージ
エントリーごとに次の3つの画像が必要です。画像のサイズはサイズは10MB以下。
-全体画像:キルトのすべての端が写っていること
-詳細画像:キルトライン等、カテゴリーに合った詳細な内容がわかること(30cm四方を写したもの)
-作者の写真:各部門の1位以上の作者の写真がAmerican Quilter誌に掲載されます


5. 発送の方法

①海外に作品を送る場合にはFEDEXやEMSを使います。日本から米国へは2022/7現在、7日程度で届きますが、税関審査(0~10日)や天候等により遅れる場合がありますので時間的に余裕を持って送る事をお勧めします。

②税関審査のため発送品の価格を申請しますが、受取り側での不必要な関税を避けるため1ドル程度で申請してください。

③同様に、不必要な関税を避けるため、内容品はコンテストに出品するだけで商用ではないことを明確に記述します。
 書き方の例:Quilt for exhibition and return. (made in Japan by sender, cotton) NO commercial value
 また、内容品種別を「その他」に、INVOICE の区分を無償にします。無償にすると送り状に「No commercial Value for customs purpouse only」が印刷されます。

 EMSは、郵便局から送ることができ、料金も安くて便利です。
 米国やヨーロッパ宛の荷物については通関に関する情報を事前に電子的に送信する必要があります。
 そのためには、「オンラインシッピングツール」又は「国際郵便マイページサービス for ゆうプリタッチ」を使って送り状を作成してください。
 これらはこちらを参考にしてください。

6.作品の送り方

コンテストによってそれぞれ異なりますが、ここでは代表的なAQSパドゥーカの例を紹介します。
いずれも、変更されることがありますので注意願います。

AQSパドゥーカの例
 作品の応募者すべてに結果がEメールで送られます。
 メールにはコンテストガイドが添付されていますので、それに従って進めます。
 入選された方は作品を送る前に、オンラインで返送時の運送会社、返送先住所や返送料金の支払いのためのクレジットカード情報を入力します。
 作品は、その後指定された期間に到着するように送ります。
 オンライン入力の方法はこちらのYoutubeで紹介していますが、簡単に説明します。
 なお、更に詳しい内容はこちらへ

・キルトの返送方法のオンライン入力
 AQSからキルトを返送する場合の住所や送料支払いのためのクレジットカード情報を入力するものです。
 エントリー時に投入したサイトから、名前とコンテストガイドに書かれた確認番号(confirmation number)を入力し、変更(Modify)ボタンを押して進めます。
 保険金額の変更、住所の変更ができます。
 なお、キルトはAQSの次のコンテストのためにそのままAQSに預かってもらうこともできます。

・作品の評価依頼
 作品の評価(鑑定)依頼が出来ます。依頼したい場合にはオンラインで追加の情報を入力します。
 貴方の作品がいくらの価値があるかを鑑定してもらえます。作品送付時の保険金として1000ドル以上とするためにはこうした公式な鑑定が必要になります。

・ネームカードについて
 コンテストガイドにはネームカードがついています。キルトショーに行く場合、これを印刷して持って行ってください。
 会場にはカードホルダが無料で準備されています。ネームカードをホルダーに入れて使ってください。ネームカードを見せると無料で入場できます。

・作品の送付方法
 作品の送付方法は指定された期間内に到着するようにFedexやEMSで送ります。
 こちらのYoutubeで紹介していますが、以下に説明します。

 ① 作品の裏に名前、住所、タイトルを書いたラベルを付けます。以下のカードを含め全て英語で書きます。
 ② スリーブは展示用の金具がかかるように余裕を持たせる必要があります。スリーブの作成方法はこちらを参照してください。
 ③ 名前と返送先住所を書いた3インチ×5インチ(7.5cm×12.5cm)のカード(Shipping Card) を作ります。
 ④ タイトル、名前、住所、電話番号を書いた3インチ×5インチ(7.5cm×12.5cm)のカード(Quilt Info Card) を作ります。
 ⑤ ③と④を封筒に入れます。封筒にはAQSから連絡のあった作品番号を書いておきます。
 ⑥ キルトをビニールの袋に入れ、段ボール箱に入れます。
 ⑦ ⑤の封筒をキルトの入ったビニール袋にテープで留めます。箱を開けた時に見えるようにします。
 ⑧ 箱のふたを閉めガムテープで留めます。箱の表(送り状の横)に作品番号を書きます。
 ⑨ 指定された住所に送ります。あて先にはコンテストの記号が含まれていますので、コンテストガイドをよく見てください。
   受付期間が決まっていますので、到着日を計算の上発送します。通常だと4~5営業日かかります)
   多少、早く着いても受け取ってもらえますが、締切り以降に到着した場合は失格する可能性があります。



7.保険について

コンテスト主催者が受け取ってから返送するまでの間(IQAは返送時も)主催者側で500ドル程度の保険をかけています。
運送中は各個人にまかせられており、主催者としては保険をかけることを推奨しています。
通常、返送時の保険として同程度の保険額を指定します。1,000ドルにつき4ドル程度の保険料かかります。
1,000ドルを超える保険をかける場合はキルトにそれだけの価値があるとの鑑定書が必要になる場合があります。
なお、日本からEMSで送る場合、損害賠償額が20,000円までは無料でついてきますが、それを超える場合は追加額が20,000円毎に50円の保険料がかかります。
その場合、送り状の損害賠償額の欄に金額を記入します。


8.サポートについて

海外のコンテストの応募方法について分っていただけましたか?
でも、やっぱり不安だ。英語も良く分らないと言う貴方をサポートします。
サポートについての内容はこちらをご覧ください。